奥州の山賊





「―――――…で、そいつがその女ってわけか…」




目の前の大柄な男は何か考えているようであった。



彼は源九郎と名乗っていた。



この<鷹>という山賊集団を取り率いる頭領らしい。



源九郎は割と若く見えた。


そもそも、筋肉ばかりが全身そこらじゅうについた肉体を老年期といえようか。



さすがその頭領であるのか、大柄な体に見合った髭が立派に生えてもいた。



また服は大いに乱れ、そこから垣間見える胸板には何か獣の引っ掻き傷の跡が白く残っていた。





「よぉ、嬢ちゃん。わしもおまえさんを救いたくなったわ。嬢ちゃんがいいなら、この<鷹>に入るがいいさ」



源九郎は太陽のような笑顔で笑う。



「……まあ、おまえさんには釣り合わないような臭っせぇ野郎ばかりだけどな!」




「大将っ!俺はまともでっせ」



と、横から反論したのは先程の豆吉だ。



「馬鹿言え、お前なんぞ一番青いわ。――――…おい、豆吉。お前、この嬢ちゃんを……襲うなよ?」



「襲わねぇよっ!」



「ほう、なんだ?こんなべっぴんさんを前にお前は襲わない自信があんのか」



源九郎は感心したように言う。