「だが、そこまで言うお前と源九郎の繋がりは何だ?奴に子はおろか、妻も持っていない身であったろう?」
政宗の隻眼がひすいの頭から膝までを見る。
胡坐をかいて座っていたひすいは一旦瞳を閉じて、それから障子が受ける陽を眩しそうに眺めた。
「そうさ。源九郎に妻子はいねぇ。当然ながら、俺は源九郎の子供じゃねぇ。………俺は、あいつに救ってもらったどうしようもない女だよ」
自嘲して笑うひすいの姿は初めて見た。
不覚ながらも政宗はそのひすいの様子を愛しく感じてしまうのだった。
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