「それはなんだ!?」
「それ、とは?」
「誤魔化すな!何故(なにゆえ)ひすいと抱擁をしていたのだ?!」
「違う、俺が小十郎さんに……」
「口を挟むな、ひすい!俺は今、小十郎に訊いておるのだ」
ひすいは弁解しようとしたが、政宗の怒声で何も言えなくなる。
「――――気分です」
小十郎は正座をし、目を閉じてからそう呟いた。
政宗は眉を動かす。
「気分だと……?」
「はい、ひすいさんを抱きしめたくなったからの所以(ゆえん)の他に何がございましょう」
「小十郎さん………!」
違う、彼が悪いわけじゃない。
そうひすいが言おうとしたが、小十郎は微笑みながらこちらを見た。
それはまるで、『見ていてください』と言っているような顔であった。
「―――――……」
ひすいはごくりと喉を鳴らす。
「貴様、もしや……」
「案ずることはありません。貴方様のそれと、私のとはきっと異なりましょう」
きっぱりと言い放つその小十郎の言葉の意味がなんとなくわかる気がしてひすいの胸が締め付けられる気がした。


