奥州の山賊





すると小十郎は腕を組み、眉間にしわを寄せて言った。




「『この俺をさしおいてひすいの涙を見るとは言語道断!貴様、徒では済まさぬぞっ、小十郎!』」



すぐに政宗の真似をしているのだとわかった。


似ているようで、しかしやはり小十郎の優しさが混じっていて、このなんとも言えないものについついひすいは笑みを溢してしまった。



「やっと笑いましたね」



安心したように、小十郎は微笑んだ。



「あ……」



「貴女は泣く姿も美しいが、笑う方が私はずっと好きなので」




―――――ずっと好きなので




それだけが頭の中を何度も反響する。



その言葉が、必ずしもひすいへの好意のものかどうかは断言できないが、それでもひすいは全身が温かくなっていった。




この温かみは何だろう?



どこから、そしてどうして生まれるのだろう?




ひすい自身、初めてのことだったので戸惑ったが、この気持ちの意味はすぐにわかることになる。





「私に話せる範囲まででいい。貴女の抱えるものを分けてください」