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また来てしまった。
その翌日、ひすいはまた米沢城に赴いていた。
塀をよじ登り、庭に入ったが誰もいる気配はしなかった。
ひすいはキョロキョロしながら庭を歩きだした。
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ひすいの首には今、群青の布が捲かれていた。
その端がそよ風でなびく。
「―――――ひすい、さん……?」
声がしたので振り返ると、縁側に刀を片手に立っている小十郎がいた。
「小十郎さん」
瞬間、心の奥底で何かが弾けた。
「昨日もいらっしゃいましたね。今日はどうされました?―――あ、今殿と梵天丸様は鷹狩りに行かれまして…―――――」
そう言い終わらないうちに、ひすいは小十郎に抱きついていた。
小十郎は驚いて、目を丸くする。
「ひすいさん?…どうされたのです?」
しかし、この口調は一切変わらず、ひすいの肩に手を乗せた。
それが嬉しくて、離れたくないと思って、よりしがみつく。
終いには、泣き出してしまった。


