奥州の山賊





「――――僕はね、君の<鷹>との利害が一致しているから一緒になろう、って言ってるのさ」



男は手を大きく広げる。




「もしそうなれば、ここの森―――いや、奥州の森は全て僕らが手にいれたものだろう?」



「……俺たちは土地を広げたくて生きているんじゃない」



ひすいは肩に担ぎ上げた男を支える腕を強めた。



「<鷹>が無くならないように、守っているだけだ!」



「……なら、尚のこと僕とひとつになるべきじゃないか」



男は両手をひすいの肩にそっと置く。




「ばかやろっ!何でそうなるんだよ!」



ひすいは必死に抵抗したが、男の手はなかなか離れない。


男は不適に笑い、呟いた。




「―――――困ったお姫様だ…」



ため息を漏らし終わらないうちに、男はひすいの唇を塞ぐ。


急な出来事にひすいは戸惑い、担いでいた<鷹>の男を落としてしまった。



先程感じた寒気をよぶ冷たさが、今度は唇から直に注ぎ込まれたようだった。




「ん…!やめっ…―――――!」


言葉を紡ぐことさえも許されない。