場所は変わって森の中――――
「何人やられた!?」
「三人。今一人が<獅子>の動向を探ってる」
「ちっ、そいつも危ねぇな…」
ひすいは奥歯を噛み締めた。
<獅子>を追うために豆吉に道案内をしてもらっているのだ。
疾風の如く柔らかい土を駆け抜けていく。
すると、しばらくしてから――――
「姉貴っ、こっからは俺もわかんねえ。すまねぇが、二手に分かれてもいいか」
豆吉の提案にひすいは頷いた。
「そうだな、追ってくれている奴が心配だしな。手早く探そうぜ」
そして、二人は別々の方向へ足を進めていくのだった。
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―――――――
「ぐぁぁぁあああ」
ひすいの耳に痛々しい断末魔が聞こえてきた。
「遅かったかっ!?」
彼に命がまだあることを祈り、その声の方向へ向かっていった。


