「も、申し訳…ございません」
謝るしか方法がなかった。
薬師からはすぐに薬は貰った。
しかし、森に馬で向かう途中で厄介な二人組に遭ったのだ。
ひとりは赤髪、もうひとりは長身─────
彼らの特徴を言えばこれだろう。
小十郎はなんとか最小限の体力で二人を撒き、ここまで走ってきたのだ。
馬は腱を切られて、とても走る状態にはなかった。
「ひすいは…、ひすいはっ!…………もう、帰っては来ない」
「……すみません」
小十郎は目を落とす。
政宗はひすいをそっと抱き上げた。
彼女の腕は重力に従い、だらりと宙にぶら下がる。
「…………お前を、静かなところで寝かせてやる。俺がいつでも訪れることができるように、城の近くで眠ってくれ」
政宗は静かに呟き、その場からゆっくりと遠退いていった。


