政宗はすぐさま傷口を確認した。
「こ、れは…………っ」
そっと背に触れただけでおびただしい血が手の平にまとわりつく。
一瞬浮かんだ結末が顔の表情に出てしまったのか、ひすいは擦れた声で言った。
「じ、ぶん……が、いち………ば……わかって、る……」
力なく笑うのは政宗を悲しませないためなのか。
「……否。お前がいなければ俺は悲しいに決まっている…」
正座で座り込んだ膝に乗せた手を力いっぱいに握りしめると、手が震えた。
その様子と政宗の顔を見比べて、ひすいは薄く開いた瞳をさらに細めた。
いとおしそうに見つめるその視線に胸が締め付けられる。
視界が霞むが、ここでひすいの顔を焼き付けなければ…─────
そう思ったところでふと我に返り、奥歯を噛む。
─────これでは、ひすいが死んでしまうことを認めているようではないか…!
一目見たときから感じていたものを何とか振り払いたい。
しかし現実は甘くなく、今もひすいの背後は血の海と化していた。
「あの男がこれをやったのか。……すまない────」
政宗は震える手の甲でひすいの頬を撫でた。


