奥州の山賊





そこには心配そうに覗き込む貴方の姿…──────





今にも泣きそうな、貴方にしては珍しい弱気な姿…──────







「へ……………きさ…」




「平気なわけあるか、黙っておれ!今小十郎が薬を持ってくるからな」









──────もう、いいんだ政宗さん。




あんたに逢えたことでもう何も他に望むものはない。


だから、『平気』なんだ。





あんたがそんな顔をしているのは似つかわしくない。




いつものように優しく見つめてくれるだけで、自分の心は満帆に満たされるのだ。










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政宗がひすいを見つけられたのは奇跡に近いものであった。





政宗さん、と呼ぶ声が聞こえたような気がして、感覚を研ぎ澄まし周囲に視線を注意しながら向けると、前方奥に彼女がいたのだ。






隣には、若い男がいた。






見たことのない男だったが、その姿からして山賊の一味だとわかる。




これは、あのひすいと敵対している山賊なのだろうか。








そこまで思案して、ここまで来た意味を思い出す。





自分はこの男の身元を探るために来たのではない。
愛する女を助け、守るために来たのだ。







幸いにも、この男はすでに息を引き取っているようで先程からぴくりとも動かない。