「源九郎の髪だと…?!」
ひすいの眉間に皺が寄る。
「てめぇっ!ふざけやがって」
興奮ぎみに叫ぶひすいとは対称的に、冷静な雰囲気を醸し出す悠は見下すように鼻で笑った。
「ふざける?君、何言ってるの?ふざけてるのは源九郎の方さ。勝手に女に手を出して、子を為したから捨てたんだよ?」
確かに、悠の言っていることが本当ならば、それは源九郎に否があるだろう。
しかし、あの寛大な男が果たして女子供を捨てるような真似をするだろうか──────
むしろ、二人を守ると言いそうな気がするが。
「それでも母さんはさ、あの男を愛してた。……僕よりも。だったら、二人は一緒になるべきだろ?」
「源九郎は……、そんなことをする輩じゃねえ」
「そう思うがいいさ。どれだけ君が源九郎を慕おうとも、僕はあいつが憎い。それは変わらないことさ」
悠は立ち上がり、諦めたかのように肩をすくめた。
彼が一体何の利を持ってこの話をひすいにしたのかはわからない。
だからひすいは彼を凝視し、その真意を掴もうと試みたが悠の表情が変化するだけで心まではわからない。


