奥州の山賊





「それの話が源九郎とどう関係してくるんだよ」




ひすいが屈んだ悠を見下しながら言った。



悠は一旦瞳を閉じて、それから彼女をこれでもかという程睨みながら見上げた。






「その浪人─────僕の父が源九郎だよ」





「なっ…」






「君は覚えているかい?僕らは一度会ったことがあるんだ。源九郎は息子である僕が哀れに見えたんだろうね。僕を<鷹>に招き入れようとしたんだ。でもね─────」





悠は撫でた草木を根こぞき掘って、それを握りしめた。






「僕にはただの屈辱でしかなかった……!」





「……………」







「会いたくもない父の下で暮らすなど、考えられなかった」








「…………………てめぇ…。だから源九郎を殺したのか」






ひすいは体勢を低くし、腰に手をまわした。


そこにはいつでも何が起きてもいいように小刀を隠し持っていた。





──────これであいつを殺す。






悠と源九郎の間にどんな関係があっても、ひすいにとって源九郎は偉大なる父だった。




その父を殺された。






殺した者は死をもって償わなければならない。