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行き着いた先は忘れもしない場所だった。
「ここは…」
「そう、源九郎が死んだ場所さ」
あの時は彼の血が辺りに飛び散っていたが、今はその面影さえもない。
草は伸び、むしろここまで来るのに掻き分ける方が大変だった。
「君は精神的に参っていて気付かなかったろうね」
「…………なに?」
「そして君はあの洞穴で悪臭を嗅いだはずだ」
悠はこの成り行きを楽しんでいるように見えた。
笑って、ひすいの表情が変化するのを見ていた。
「…………何が言いたい」
「あれ?繋がらないかい?」
悠は膝をつき、あの時横たわっていた源九郎を撫でるように草木に触れた。
「じゃあ、僕の生い立ちから説明しなきゃだね…」
一瞬、彼の顔が引きつっているように見えた───────。
「僕は米沢城下の宿屋の娘から生まれた。けど、その相手は旅の浪人。二人は愛し合っていたみたいだけど、男は娘と息子を捨てて逃げていった」
まるで物語を語るように悠は淡々と話していった。


