奥州の山賊






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悪臭が鼻の周りを漂っていた。





「ん…、うん─────」




「やっとお目覚めかい?」





楽しそうな声の持ち主は悠だった。




そして、この鼻がもげてしまうような悪臭は悠からする…。






「ようこそ、僕の住みかへ…」





薄ら眼のひすいは辺りを見渡した。




暗闇で見えにくいが前方に悠がいて、左右に一人ずつ人が立っている。


そのうち一人は赤髪の男で、先程の者だとわかる。

一方の男は長身だった。





前方の悠はどこかに座っているらしく、それは毛のようなものが見える。






「さあ、始めようではないか。────…君の知りたい彼の結末を」





悠は両手を大きく広げた。





「けっ…。俺を拘束しなくていいのかよ。いつでも逃げられちまうぜ?」





確かに、今の彼女には猿轡(さるぐつわ)はもちろんのこと、縛ることさえも施されていなかった。



舐めた真似を、と悠を睨んでやろうかと思ったが赤髪の男同様に、その効果は皆無だろうと思って止めた。





悠はふふと笑った。