──────もしや、この方はこの風貌が山賊のような男に感情移入したのではあるまいか…。
小十郎は先に見える男を遠巻きに眺めた。
芝居をしているには見えない。
なら、あの叫び声も本心からきた言葉なのだろう。
しかし、何故この男を保護するような真似を…?
主の真意がわからなかったが、家臣である小十郎は必要以上に詮索はしない。
だから今回も
「……………御意」
で済ませた。
もぬけの殻のようになった男を運ぶように指示してから小十郎は改めて、政宗の側に寄った。
「政宗様、一体何が……?」
「小十郎」
政宗は小十郎の質問にも、はたまたその視線にも一切触れずに進めた。
「…………お前は薬師(くすし)から血止めと解毒の薬を貰ってから俺を追え」
「ま、政宗様?何故…─────」
「ひすいを助けるためだ。急げ」
政宗はそう言って馬小屋に駆け出して行った。


