──────俺はこの人に身体でさえも勝てないのか…。
豆吉は幼少時代他の男と比べると大分小さかった。
それゆえ源九郎から『豆吉』と名付けられたのもあった。
ひすいと出会う頃には身長は<鷹>の大柄な男たちと並べるほど高くはなっていたが、体つきは細身でひょろっとしたものだった。
それでも鍛えてここまでの身体になったが、目の前の男に適うほどの筋量はない。
「もう、止めてくれ。あんたがあの人を呼ぶ度にあの人はあんたに惹かれていくんだよ…」
「……………」
「あんたを…、好きになっちまうんだよっ!」
政宗は黙ったまま崩れた豆吉を見下ろす。
その隻眼は豆吉の姿を見定めていた。
「俺には─────<鷹>にはあの人が必要で、無くしたくない」
豆吉の視界が霞んだ。
─────俺、この男の前で泣いてんのかよ…。
かっこ…悪ぃな。
「貴様は、ひすいに惚れているのか」
政宗の口からそんなことが洩らされる。
「『ひすい』じゃねぇ。俺はあの人に惚れているんだ。……愛してるんだっ!」
「そうか……」


