「おめぇら、今日はもう引き上げっぞ!」
村に、女の声が響きわたった。
「姉貴、この村すっげー貧乏っすよ。宝らしき宝物見当たらねぇ………――――って、何ですかい?その布で包まれたもんは」
「……こいつのことか?」
頭は愛しそうにそれを見つめた。
「が、餓鬼?!」
「あ、姉貴…。そいつ、どうすんですかい。ろくにおいらたちの食い物も食えないっすよ」
もう一人の手下が言う。
「…………俺が、なんとかする」
「なんとかするって、正気でっか?餓鬼育てんのは村を襲うのとは別格ですぜ?」
「姉貴、悪いことは言わねぇ。その餓鬼を返してくるべきだ」
頭は限界が来た。
「あぁ、もう!うっせーな、俺が育てんだ。文句はねぇばずだ!」
手下に囲まれて、鬱陶しそうに彼らを腕で払った。