ひすいの警戒は更に強くなる。
「お前の用件は何だ?」
「そうそう。それをお頭さんに伝えに来たんだ」
赤髪の男は徐々にひすいに近づく。
じわじわと迫り来る距離にひすいは奥歯を噛み締めた。
赤髪の男は手を後ろへ回し、緊張で強ばった彼女を楽しそうに見つめていた。
「<鷹>の前のお頭さん─────源九郎の死についてさ」
「なっ…」
ひすいはあからさまに見開いた。
以前から知りたかった源九郎の死…──────
ひすいが彼に辿り着いたときにはすでに無惨に刺し殺されていた。
何ヶ所にもわたる刺し傷はどれも深く、源九郎に強い恨みがあったのではないかと考えていた。
─────源九郎と同じように殺してやる。
きっと彼はそれを望まないだろう。
ひすいの心が復讐心で荒んでしまうのを恐れていたことだろう。
「いい顔…。ゾクゾクする」
「……………お前が知っていると、そう言いたいのか」
赤髪の男は満足そうに頷いた。
「一緒に来いよ。悠が教えてくれるってさ」
─────悠…だと?
何故<獅子>が源九郎について知っているのか。
まさか…────


