豆吉の背中は小さいように見えた。
「どうしたんだ、あいつ…」
ひすいは腕組みをして首をかしげた。
─────…豆吉から薬を塗ってもらい、ひすいは改めて<鷹>の仲間に顔を見せることにした。
ひすいが顔を出すと、座っていたり石に寄りかかっていたりする男たちからの声がどっと洩れた。
「姉貴ぃ!よぐぞ、戻っでぎでぐれだぁぁ!」
皆鼻水を垂れ流し、言葉が言葉になっていない。
それほど彼らはひすいの帰りを待ちわび、生還を願っていたのだ。
「お前ら大袈裟だな。俺が簡単に死ぬわけねぇだろ!」
「そらそうなんすけど…っ!おれたちゃ心配で心配で…──」
おいおいと泣く姿はひすいよりひとまわり歳をとった者の姿ではない。
しかし、彼らからはどれだけひすいを大切にしているかがわかる。
そんな彼らの態度が嬉しくて、否嬉し過ぎてひすいは照れてしまった。
「ばっ!な、情けねぇな。俺ぁ、水浴びしてくるからなっ!」
赤くなる顔をさりげなく隠しながら彼らから遠退いた。
もちろん水浴びなどその場から逃れるための口実にすぎない。
ひすいは少し森の中を駆けた後、無作為に選んだ木の幹に寄りかかり、そのままへたりこんだ。


