──────俺たちはまだ、強くなれるんだ。
──────
────────
それから数日経ったある日の夜中────
「世話になったな、政宗さん。……それに梵天丸も小十郎さんにも」
城の裏口ではひすいの真向かいに三人が出揃っていた。
昼間の見送りは政宗や梵天丸によからぬ噂がたってしまうかもしれないという小十郎の意見を汲んだため、この刻になった。
「一時はだめかとも思いましたが…。本当に回復できてよかったですね、ひすいさん」
「ああ、迷惑かけちまって申し訳ねぇな…」
「いえ、侵入者を許した私の責任でもあるのです。迷惑だなんて、そんなことを仰らないで下さい」
小十郎は眉を寄せて無理やりに笑っているようであった。
「母様、またいらして下さい。お待ちしておりますゆえ…」
梵天丸のこういった淋しそうな顔を見ると、ここを離れるのが惜しくなる。
彼は自分を本当の母として慕ってくれるのだ。
それだけで、ひすいの心は愛に満たされる。
「そうだな。いつでも来い。今度は俺と梵天丸の太刀捌きを観せてやる」
政宗も若干梵天丸のような顔でひすいを見つめ、それを紛らわすかのように梵天丸の頭をくしゃくしゃに撫でた。


