奥州の山賊







夜風がなびくように、ツバメは小さく息を吐いた。





「俺らって、どうしてこんなに弱いんかね」






「…………」







トンビは答えない。



だがきちんと聞いていることをツバメは知っていた。





彼の言葉は続く…─────。









「別に俺は悠に逆らいたいとか思っている訳じゃない。あいつに信用なんておいてないけど、任務は楽しいし、あんたと話すのも嫌いじゃない」







<獅子>の一員となってから苦しいことばかりではなかった。



悠は信頼できないが、トンビにはできる。

理由なんてない。

自分と同じ匂いがした。求めるものが共通しているような気がした。





他の<獅子>よりもずっとトンビは話しやすい。

…………と言っても、大抵ツバメが一方的に話しかけるようなものになっているが。











「…ただ、怖いんだ。いつあいつに殺されてしまうか、消されてしまうか…。俺はそれを恐れながら任務をこなしているんだ」








この赤髪を束ねるのはその恐怖を忘れるため…─────

快楽に等しい任務に集中するため…─────






こうやって、悠の存在を一時消すしか自分の逃げ道はないのだ。






「だから腹立つ…。こんな俺が────…弱い俺が腹立つ」










「ツバメ…─────」