最後は不適に笑い、そのまま姿を消した。





ツバメとトンビは唖然としながら悠が先程まで佇んでいた所を見ていた。







「な、何だったんだ…。今の。悠の奴、言いたいことだけ言って消えやがった…」






ツバメがそう呟いた。






「何か、企んでいるな…」




「あ、やっぱりトンビもそう思うか?」






トンビは深く頷いた。








「きっと近いうちに命が出されるだろうな」








<獅子>の頂点に立つ悠の命令は絶対服従である。




それは、彼を信頼しているのではない──────

















─────彼が恐ろしいからだ。



















最早命令は強制の文字で型どられ、従わない者は即行『排除』される。






<獅子>は<鷹>とはまた異なった特有な山賊で、俗に言う『下剋上』が存在する。



だから、ツバメやトンビが悠を殺せば彼らが頂点に立てる。




しかし、それは目に見えて無謀だということを二人は承知していた。




それほど悠は強いのだ。






ゆえに、二人は一生悠のもとに『恐怖』の名で縛られるのだ。