政宗はひすいの肩を抱き寄せた。
「なっ…?!」
茹でタコのように真っ赤になりながらひすいは彼を見上げた。
そこにはもちろん政宗がいて、こんな状態にいるひすいが余程面白いのか、悪戯っぽい笑顔で視線を絡めてきた。
ひすいは恥ずかしくて、ふいに目を逸らす。
「察しの良いお前に褒美をやろう」
言うが早いか政宗はひすいの唇へ口付ける。
啄むようなそれにひすいは全身が溶けてしまうような感覚に陥るが、何とか理性が留める。
「ま、政宗さんっ…!続きはっ…!」
「おぉ、そうであった」
何とも無いように政宗は離した。
自分の心がこんなにも掻き乱されているのに、目の前の男は平然と振る舞っているのに納得がいかない。
また、悔しさも込み上げる。
だが同時に、政宗が触れてくるだけで動揺して赤面する自分がどれほど彼に惹かれているのかを思い知らされる。
知らずのうちにこんなにも好きになってしまっていたのだ…─────
政宗は口を開けた。
「───────…父上が、畠山という者に人質にされてしまったのだ」
「えっ」
時が止まる…─────
それまで高揚していた顔も一気に冷め切った。


