奥州の山賊







雲が少し出てきたみたいだ。



いくつかの雲たちがゆっくりと流れ、月が見え隠れする。





それに呼応するように、目の前の池が輝き、また濁る。



そんな景色をぼんやり眺めていると、政宗の声が聞こえた。









「────…聞いてくれぬか?」




「政宗さん?」






ひすいは政宗を見た。



しかし、彼はひすいを見ることはせず、そのまま月を見上げていた。








「俺の過去を…、聞いてはくれぬか?」





「過去───」






ひすいが反復すると、政宗がふっと笑う。







「お前の過去を共有するならば、俺のそれもお前に知ってほしいのだ。…無理にとは言わぬ。お前に聞かせてやりたい俺の我儘ぐらいに思ってくれていい」






「…………わかった」






政宗は瞳を閉じた。








「俺は、十八のときに伊達家の家督を十七代目として継いだ。父上も俺には期待してくれているみたいでな、様々なことを教えて下さった」





「十八でか…。俺と同じ齢のときにはもう城主だったのか」





ひすいは腕組みをして感慨深そうに頷いた。




そんな彼女を薄ら開けて横目で政宗は見ると、小さく笑ってそのまま続けた。






「領地も当時と比べれば大きくなったが、ある問題が起きた──」




「隣国間の問題か…?」






「ふっ…。察しが良いな、ひすいよ」