─────…幸せに満たされて、眠い。





本当はこれが夢で、起きれば現実に引き戻されてしまうのではないかと考えてしまう。





だったら、このまま眠りについてはいけないはずなのに、どうしてか安心して不安が全くと言っていいほどない。







何故だか分からないが、夢の中であっても現つ(うつつ)の中でも望む先にはいつも政宗がいるような気がするのだ。





手を伸ばして、微笑んでいる…─────




こちらへ来い、と囁いている…─────






そんな彼の姿を認めることができるのだ。








─────この感情…






味わったことがないはずなのに、どうしてか懐かしい思いがする。





経験なんて皆無のはずなのに、どうしてか寂しい気がする。









ふと思えば政宗の顔が思い浮かぶ。






彼が、優しく見つめる姿が現れる。







どの感情にも当てはまらない未知のものを自分は恐れようともせず、ただ受け入れている。




否、むしろ望んでいるに近い。







それは避けるべきものではないことはわかる。








「………わかんねぇ、なぁ…──」






呟いたところで解決するわけではない。





しかし、言葉で表現したくなった。