「餓鬼扱いすんじゃねぇ…」
政宗に優しくされるのがどうも恥ずかしくて、ついこんな憎まれ口をついてしまう。
政宗だけには嫌われたくないと思っているはずなのに、心は意地悪にもまるで崖を歩くような際どい言葉を投げてしまう。
嫌われてしまったかな。
こんなにも素直になれない自分を政宗は呆れ返ってしまうかもしれない。
案の定、頭上からため息が降ってきた。
さすがに政宗も嫌になってしまったのかもしれない。
ひすいは下唇を噛み、更に俯いた。
それまで流れていた涙は頬をつたうのではなく、そのまま布団の上にぽとぽとと落ち始めた。
心なしか、その涙の色が変わったような気がする─────
「馬鹿を言え。俺はお前を一度もそんな扱いをした憶えはない。俺はいつだって、お前を守ってやりたい女だと思っているさ」
「え…」
先程のため息は諦めのものではなかったのか。
期待感を胸に抱き、ひすいは泣きじゃくった顔で政宗を見上げた。
そこには愛しそうに見つめ、目尻を下げた政宗の顔が意外にも近くにあった。
ひすいはそんな政宗に対して頬が火照るのがわかった。
「………政宗さん」
「ん?何だ?」
「俺の感情は何なんだろうな…」


