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「────源九郎っ!」
上半身を勢いよく起きだすと、そこは四畳半の一室であった。
ひすいは辺りを見渡すと、そこには頭部だけを振り返らせて目をパチクリさせている梵天丸の姿を認めた。
「か、母様が………起きたっ?!」
「え…」
「母様っ…!真に、真によかったです」
すぐさま梵天丸はひすいの隣へ赴き、その両手をとってぶんぶんと上下させた。
その状態を理解できずにいたひすいはただ自分の両手の軌道を眺めることしかできなかった。
「─────梵天丸、嬉しいのはわかるが、あまり母を困らせるでないぞ」
いつ襖が開いたのであろうか、そこには腕を組んで立っている政宗がいた。
その表現はどこか穏やかで、彼も少なからずひすいの意識が戻ったことを喜んでいるようだった。
ひすいはぼうっと政宗を見た。
その視線を絡ませるように、あえて政宗は首をかしげた。
「ん?どうした、ひすいよ」
何でも頼ってくれと言わんばかりの甘い声に心がぴくりと反応した。
─────ずっと看病してくれてありがとう。
………なんて、恥ずかしくて言えるはずもなく。


