ひすいは源九郎の顔を見て、先程抱いた感情を思い出した。
「そうだ、源九郎。俺…────あたいの中に、また新しい感情ができちまってよわってるんだ。なぁ、これが何なのか教えてくれよ」
「それは、伊達殿に抱く感情だろう?」
「なっ…。し、知ってたのか」
あからさまにひすいが驚くと、源九郎は眉をハの字にに曲げてふぅと息をついた。
「言っただろ?俺は譲ちゃんのそばにいるって」
「そ、そうか…。それで知ってるんだな」
ひすいはかいてもいない汗を拭い取った。
「譲ちゃん、」
源九郎は真っ直ぐにひすいを見つめた。
「伊達殿は、良い方だ。民でもない俺たちを差別することはなかった。……だから、俺は伊達殿に手を貸した。───もっとも、譲ちゃんにとってはやはり気をつけるべき相手だったがな…」
「…?何言ってんだ?」
「いんや、何でもねぇ。こっちの話さ」
源九郎は大げさに首と手を振った。


