奥州の山賊






────こんな思いにふけるのは初めてだ。



源九郎は喜ぶだろうか。




自分の成長を彼はどんな顔で眺めてくれるだろうか。












─────この温かみをあんたに一番に伝えたいよ…、源九郎。



理由はわからない。




これが喜ばしいことなのか、悔やむべきことなのかはっきりしないはずなのに、ひすいはどうしてか源九郎にいち早く伝えたいと思っている。













────ここにきて、ここまで持ち堪えてきた意識は今、途絶えようとしていた。




眠ってはいけない。





そう思っているはずなのに、どこか安心して気を許してしまっているようだ。




先程の政宗の言葉のせいだろうか。



また、口付けのせいでもあるのかもしれない。






怪しい男に何かを飲まされたこともすっかり忘れて、ひすいは政宗のことだけを考えていた。









「────…ま、……………さ…むね……………さ…ん──────」





決して彼に届くことはないだろうとはわかっているつもりなのに、ひすいは痺れる口を懸命に動かして紡いだ。







そして彼の名を紡いだのち、ひすいはまどろみの中へ意識を投じた。