この感情がわからない。
─────自分が源九郎に養ってもらうことになったはじめは、この身に感情などひとつもなかった。
しかし、源九郎はそれらを焦らず念入りに教えてくれた。
嬉しい感情、悲しい感情、怒りの感情…──────
全てが初めて知ることで、毎日が新鮮に感じた。
─────だがよ、源九郎…。あんたが教えてくれた感情に当てはめてみても、どれもしっくりこねぇんだ…。
上手く表現できないが、嬉しいとか、悲しいとかという区分に分けてしまおうとすると、自分の中で激しく抵抗してくる心がある。
──ソンナモノジャナイ。──
…だったら教えてほしいくらいなのだが、彼らは答えようとしない。
─────なぁ、源九郎…。
あんたなら、知ってるんだろ?
もしあんたが生きていれば、これをどう教えてくれたんだろうな。


