奥州の山賊







人の気配が自分の横になっている傍に来た。





「さて。拝見、拝見〜」






声の低さから、この気配は男のものであるとわかった。




それがどかっと座ると、不意に顔を近づけてくる気配がした。







口付けか?と思ったが、それ以上彼我の距離が縮まらないので、そうではないらしい。







しばらくして─────







「ははー。確かにトンビが言うように美人だわー。うん、抱きたくなるね〜」










─────こいつ、馬鹿か?阿呆か?





いや、両方だな…






ひすいがそう心で呟いていると、あ・いけねっ!という男の声がした。







「そうそう。これを飲ませないとね─────」





男がさらに声を低くして呟いた。





そんな急変にひすいは悪寒を覚えた。






すると、男のものだと思われる指がひすいの顎を持ち上げた。






「………俺の口付けの方が、悠より上手いよ?」








─────悠だと…?!





ということは、この男は<獅子>の連中だということになる。





そんなことを思案にくれていた刹那────