奥州の山賊







「はい!俺、俺!俺が確実に飲ませてきてやるよ!」








「……………お前、何か企んでないか?」






トンビはじっとツバメを見て、その真意を掴もうとする。




そんな彼にツバメは両手を勢いよく振った。








「んなこたしねーよ!ちょうどあの女を間近で見てみたかったしなー。……と、いうわけでっ!」




「あ!おい…っ!」







ツバメはトンビから隙をついて小瓶を奪い取り、それを口に加えて赤髪を結い始めた。







「……言っておくが、これは俺が与えた任務ではないからな」





「わーってるって!俺の単独行動にしとけばいいんだろっ!」







─────ツバメは任務遂行するために、その特異な赤髪をひとつに縛りあげる癖があった。





それはきっと単に髪の毛が邪魔であるのにもかわりないだろうが、決まって肝心な任務の際には縛っているのをトンビは見ていた。





だから今回、念を押すように釘を刺しておいたのだが、自分自身もわかっているようだ。









「んじゃ、行ってくるなっ!」





片手をブンブン振った後、突風に呑み込まれるようにして消え去った。







「……あいつは馬鹿なのか?阿呆なのか?」






──────否、どちらもだろう。







トンビも風に乗って消えた。