──────
────────
「み、三河だと………?!」
「ああ、源九郎が認めていた徳川家康に話を聞きに行ってくる」
<鷹>の住みかに戻り、開口一番に先ほどの話をした。
豆吉は信じられないようで、口をあんぐりと開けたままだ。
「駄目か?」
「だ、駄目もなにも…!姉貴、その言葉の意味が分かってんのか?」
「もちろんだ。三河までの道は決して容易くはねぇだろうよ。けど、俺はそれでも行きてぇんだ…」
ひすいは切実そうに豆吉を見つめた。
「…!」
豆吉は何かを感じとったようで、目を見開き、また若干頬を赤らめた。
そこから動揺というものが感じられたが、それはすぐに消え、次の瞬間にはキリッとした目付きでひすいを見た。
「なら───、俺も行く…!」
「なっ?!あ、危ねぇだろっ…!」
「姉貴ひとりだけの旅の方が危ないに決まってるだろ!」
言うや否や、豆吉は立ち上がって背中を向けた。
「───ただでさえ、あんたは綺麗なのに…」
「あ?何か言ったか?」
「な、何でもねぇよ!お…俺は準備してくるからなっ!」
「お…おう」
豆吉はそれまで座っていた丸石から飛び降りて、そのまま一目散に駆け出した。


