奥州の山賊







「あんたのその気持ちだけで、嬉しいからよ…」





「ひすい…」






「………慰めなんていらねぇぜ!俺は、これっぽっちも傷ついてなんかいねぇんだからよ」







「馬鹿者…―――――」






ひすいのいかにも辛そうな顔が見ていられず、政宗はその手で彼女の頭を自らの胸に押しあてた。






「偽りなぞいらん。俺の前で嘘などつくな」




「う…嘘じゃねぇよっ!本当に、本当に…悲しくなんかねぇんだよ」





―――――ひすいは自分の気持ちを奥へ押しやろうとしている。



本当の想いを塞ぎ込んで、何事もなく過ごそうとしている…―――






馬鹿者――――



そんな状態で歩めるはずがなかろう…。





「――――お前が俺と一緒になれば、そんな思いはさせぬ」





「………」






「愛するお前以外の女に、口付けはせぬ」





ひすいはその言葉にピクンと肩を震わせる。



そして政宗の前襟を更に強く握り締めた。








「…………見てたんだな、政宗さん」






ぼそっと呟いたそれは、どこか心ないように感じられた。