――――――まだ触れたところが熱い…。






その中でも一際熱を発している額に自分の手の甲をあてた。





髪の毛も、頬も、そして額も…―――――







全てが彼の優しさの中で包まれている。






―――――けど、景綱さまはいつだってそうです。





私の唇には触れてくれたことはない。




私はいつだって望んでいるのに…―――――







「小雪は、貴方と夫婦(めのと)になることを心から望んでおります。景綱さま…」






さすれば彼も、その愛を自分の唇にしてくれるだろう。







小雪は小十郎が消えていった道をいつまでも眺めていた。