そう言って唇を重ねようとしたが、予想外にも平手打ちがとんできた。
「……!」
打たれた頬を手で押さえて政宗は目をパチパチとさせながらひすいを見た。
「いい加減にしろ。俺は、<鷹>の頭だ。俺の帰る場所は<鷹>にしかない」
ひすいは赤子を無理やりに政宗に抱かせた。
「……わかってる。こんなの無責任だよな。でも、俺より政宗さんのもとにいた方がこいつが幸せに暮らせるのは確かだ。だから―――――」
ふっ
と、政宗が笑う声がした。
「……さっきはすまないな、軽率な行動をとってしまったようだ。それに、この赤子は心配するな。俺が育ててやる」
「悪いな…。―――…その、話をこじつけるのに、俺たちの子供、と言ってもいいからさ…」
ひすいは躊躇いがちに言った。
それを汲み取った政宗は首を振った。
「そんなことは言わない。言えばお前は俺を嫌うだろ?」
「まあ、確かに…」
半ば正論に感心しながらも頷くひすいを愛おしそうに政宗は見つめる。