[幕間]
それから数日のことである。
政宗の容態も大方良くなり、いつもの我儘も言うまでになった。
それは小十郎にとっては喜ばしいことなのだが…―――――
「…はぁぁぁぁぁ―――」
と、いかにも長いため息を小十郎はこの城下の道端でついた。
無論、原因は政宗である。
起き上がるようになってからは、目を離すと直ぐに庭で刀を振ったり、悪いときには梵天丸と稽古をしているときさえあるのだ。
小十郎も梵天丸には注意をしたいのだが、あのように眼を輝かせながら父を見ていられてはどうもできない。
梵天丸は政宗が臥せていた間、ずっと彼との稽古をお預け状態になっていた。
それでも一応、小十郎とはやっていたのだが、物足りないらしく、稽古が終わった後に決まって『父様はいつ回復なさるのでしょうか』と呟いていた。
それを思えば、梵天丸の気持ちは痛いほどわかるし、注意して止めることもできない。
――――――それは百歩譲って許せるとしよう…
だが、
「何で私が政宗様の団子を買って来なくてはならないのでしょうか…」
政宗は小十郎が梵天丸の前では逆らえないことを善いことに、団子を買ってこいと命令した。
初めのうちは拒否していたのだが、政宗は別の者に頼むと言い出してきた。


