―――――
―――――――
だが、その解熱剤の調合を知っていても彼を救うことができなかった。
彼の怪我は解熱剤の前に血止めが必要であったのだ。
ひすいは数ヶ所にも及ぶ切り口の中でも一際出血が目立つところを押さえた。
押さえた…――――しかし、助けられなかった。
ひすいは後悔した。
尽くしたはずなのに、後悔の量は自分の身には収まりきらない程のもののように思えた。
――――解熱剤だけではなく、他の調合法も教わるべきだった。
そんな強い後悔を、今もひすいは背負っている。
だからこそ、今使える知識を誰かにしてやりたい。
今、政宗に解熱剤が必要ならば、自分はそれを与えにいかなければならない。
ひすいが思う前に、足が動いていた。
「源九郎は救えなかった。……けど、政宗さんを救えるなら、俺は―――――っ!」
全ての調合薬を握りしめて、ひすいは米沢城を目指した。


