奥州の山賊







「ありえないな…」





「あぁ?ありえねぇだと?」






――――――あんたが倒れることなんて、ありえないさ。




あんたはいつもあたいの前にいる。




それだけは、絶対に変わらないからな…。







「…譲ちゃん、この先何があるかなんてわらかねぇぜ?何でもいいが、過信はしない方がいい」






「わかってるさ、けど…あたいは信じてんだよ。いや、信じたい、のかもな」








そうなのか?と、いまいち腑に落ちてない源九郎は首をかしげた。





きっと彼は自分のことを思われているとは考えてもいないだろう。




そもそも『譲ちゃん』と呼ばれている自体、ひすいは対象外なのだろう。





そう思うと胸が張り裂けそうになるのがわかる。







「まあ、いいさ!とっとと教えろよ、その解熱剤をさ!」





苦しいと感じてしまうのが怖い。





それを紛らわすように、ひすいはにかっと笑って源九郎に近寄った。





すると、彼女の頭に大きな手が添えられた。






「まったく……。譲ちゃんはお転婆だな」






その広がる熱が温かい。




その見つめる眼差しで心が安らぐ。






だから、彼のように生きたい。





だから、彼といつまでも傍にいたい。