「俺はな、この先でっけぇ戦があると考えてる。……それこそ、俺たち山賊をも巻き込むような戦がな。そんなとき、女ってのはな、悔しいほど何にもできねぇのさ」
その言葉にひすいは睨んだ。
「あたいは無能だって言いたいのか」
「違げぇ。譲ちゃんだけじゃねぇんだ。譲ちゃんがどんなに強くなろうとも、それでも男には勝てねぇ。だがよ、そこで自分の惚れた男が倒れてるとしたら、何としてでも助けてぇだろ?」
「…さぁな。あたいは惚れた男なんざ、いたことがないからな」
―――――惚れるとすれば、あんただけだよ。源九郎……
ひすいは心の中で、秘めた想いを呟いた。
「おいおい、話が進まねぇじゃねぇかよ…」
しかし、困ったように苦笑いする源九郎に向かってひすいは鼻で笑ってやった。
そんな中、源九郎は続けた。
「んじゃ、想像しろ。そこでな、解熱剤を知ってるか知らないかで何が変わると思う?」
「…………」
源九郎は目を細めて笑う。
「後悔だよ。自分がどれだけ惚れた人に尽くせたかでその量は変わるのさ」
「後悔…」
―――――もし、目の前の男が倒れていたとすれば、自分が何も出来なくて後悔をするというのか?
だが、しかし―――――


