「ひ、ひすいさん…?!」
「こ…小十郎さんじゃねぇかっ!」
そこにはたすき掛けをした小十郎の姿があった。
不逞な輩ではないことに安堵した一方、ひすいは自分が何も身に付けていないことに異常な恥ずかしさを覚えた。
赤面するひすいを見て、小十郎は慌てて後ろを向いた。
「申し訳ありません!まさか、女人(にょにん)が水浴びをしているとは……!」
「あ、いや!俺がこんな刻に水浴びしてんのがいけねぇんだよ。小十郎さんが謝ることじゃねぇって!」
ひすいは衣類を素早く着て、小十郎に振り返ってもよいと言った。
「――――しかし、こんなとこに何の用だい?一体わざわざ川までくる必要がないだろ、どうせ城には井戸があるんだろうだし…」
ひすいが腕組みをし、首をかしげて訊ねると、小十郎は力なく笑った。
「政宗様が、毒を盛られました……」
「毒……?!」
小十郎は額に汗をかき、慎重に頷いた。
「すぐに解毒剤を飲ませましたが、熱が下がらず、今は大変危ない状態です。それに――――」
「それに?」
「……………」
小十郎は言うことを躊躇っているようだったが、口を開いた。


