[幕間]
今、目の前にはあの忌々しい瓜がてんこ盛りに皿の上にあった。
同じくして、隣にいる梵天丸の前には人参がよせられている。
あからさまに梵天丸の顔は青ざめていた。
………心なしか、肩まで震えているような?
そして、前方にはあの堅物が笑顔で俺たちを見ていた。
「さあ、お食べ下さいませ」
そんな声は聞こえないというように、俺は黙っていた。
ただ、この状況をなんとかして免れる方法を考えていた。
「と、父様…。これは如何様にお召し上がりますか……?」
「ふむ……―――――。…お、妙案だ」
「…?」
一人合点のいった俺は、ぽんと手を叩いた。
「小十郎、侍女を呼べ」
「はて、政宗様は侍女にそれらを食べさせるおつもりですか?」
表情こそ笑ってはいるが、そこから発する声は全くその要素を汲み出でていない。
そんな彼を俺は喉の奥で笑ってやった。
「ふっ、阿呆が。俺はそんな戯けたことはせぬ。酒だ、酒を持ってこい」
「酒……?」
と疑問をつけて呟いたのは梵天丸だ。
一方、小十郎は額に手をあててため息をついた。
「承知しました。持って来させましょう」


