奥州の山賊






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――――心配だ。



心配でたまらない。




ひすいは必死に掴まれた手を振りほどこうとしていたが、悠には全く及ばなかった。





見た目、細身の身体のはずなのに、どうしてこんなにも力量の差が生まれてしまうのだろう?




ひすいは舌打ちをする。






先程、自分が恐れをなして身体が膠着(こうちゃく)状態にいたばかりに、彼を野放しにしてしまったのが間違いだった。






「離せよっ!」





早くしなければ、また二の舞になってしまう。




もう、あんな思いはしたくない。





それなのに―――





「君はいつもそうやって、僕よりも他の男を優先するのだね…」





悲しみにふけるような声で呟くと、もう一方の手でひすいの群青の首巻きをずらした。




「ん…、」





首巻きをずらしたときに擦れた悠の指先が首筋をなぞった。






「あれ?今日は我慢しないんだね。………いい声だよ」





「て、てめぇ…―――――!」





「ああ、あった。この前付けた僕の印。………ふふ、今日はどこに付けようかな?」






まるで遊ばれているようで、ひすいは腹が立った。







「お前、何が目的でこんなことするんだよっ!」