妙な安心感が生まれた。
彼女は源九郎が殺され、その意志を受け継ぐべく『<鷹>の頭』と名乗ることになったころからいつも眉間に皺を寄せていた。
気負っているのだろうと思った。
<鷹>を失わないために、守りぬくために、自分には何が出来るのだろうかと考えているようで、その姿をこの男なりに心配していた。
会った頃から元々笑顔を浮かべないような人ではあったが、
しかし赤子を拾い、伊達政宗と出会ってからは、心を失った生きた屍のようなかつてのあの姿を一度も見せなくなった。
天下の動向を探るために奥州を離れていた時も、二人を思い出していたのだろうか―――時に口元が緩むことがあった。
ならばその男の名は…――――――
「伊達、政宗を好いているんですかい?」
「政宗さんを?」
的を得たつもりで言ったのだが、彼女は驚いたように目を丸くした。
「俺が、政宗さんを…?―――――ははっ!」
「な、何がおかしいんすかっ!オイラは真面目に訊きましたぜ?」
笑った意味がわからなくて、焦ってしまった。


