「男として……」
「そうっす。はっきり言ってしまえば、姉貴に好きな男がいるかどうかっす!」
――――――好きな男
考えてもみなかった。
この目の前にいる男はそういう解釈のもと、言っていたのかと改めて思う。
「好きな――――ねぇ…」
「姉貴?」
男は首をかしげた。
それに呼応するように、ひすいはふっと笑った。
「いや、もしな…見ていると辛くなる。けど、見ていないと不安に駆られるなら、それはその人を好きだという意味なんかな?」
「あね、き―――――…?」
この男は思った。
今、彼女が美しいほど哀しく笑っているのが、どこかをくすぐられるよう―――――
見惚れてしまうほどの哀愁めいた薄ら開いている潤った瞳。
それを隠してしまうような長い睫毛。
さらには、艶やかな髪の毛までもの全てがこの男を誘惑しついるように感じた。
―――――決して、これが彼女の意図的な行為とはいえないだろう。
しかし、かつて見たことのない実に女らしい雰囲気に男は息をするのを忘れてしまうほど心を奪われていた。
―――――姉貴、こんな顔もするんすね…。


