「はい。――――…申し上げておきますが、伊達家は特に貴女方に害を為そうと企んでいるわけではございません」
急に真面目な顔になり、ひすいを見つめた。
ひすいもわかっているらしく、こくりと頷く。
「そりゃ、わかってるさ。政宗さんはそんな非情なことをする人じゃないって知ってるからな」
「では、何故……」
その答えにひすいは申し訳なさそうに首を振った。
「無意識、じゃ納得できないだれうけどさ、その類なんだよね。…………でも、疑ってる訳じゃないことは信じてほしい」
「ひすいさん……」
小十郎が呟くと、ひすいは彼に向き直り、悲しそうに笑った。
「もどかしいよな、こんな気持ちなんか…。毎日毎日、迷惑だろ?俺だってわかってるけど、自分が何をしたいのかわからねぇんだ…」
「………」
小十郎は何も言わない。
―――――きっと、自分の悩みふけっているもの全てを受け止めてくれるという意図なのだろう。
何も言わずに聞いてくれる。
誰かに干渉されたり、自分の価値を勝手に決めつけられたりするのが嫌いなひすいにとってはこの小十郎の思いやりが嬉しく感じた。
少し頬を緩ませたのち、唇をきゅっと結んでその言葉の続きを述べた。


