奥州の山賊






――――――これでいいんだ。





俺の気持ちはきっと姉貴に伝わったはずだ。





初めて出会ったあの時からの想いが伝えられた。





それだけで、今は嬉しい。






俺の全身を風が吹き抜けた。



「<鷹>を失わせない。あんたがずっと守り続けたそれを、俺は引き継ぐよ…。あんたに、誓う」




今は閉じてしまった門を見つめ、俺は中にいるであろう人を思い浮かべて言った。







そう、失わせない。


いつ帰ってきても、あんたに居場所があるように、これからは俺があれを守るんだ。







足を反転させて踵を返し、<鷹>の住む森への道を走った。













        ――豆吉視点より――