奥州の山賊






「あんたがやっぱり好きだ。………もちろん、<鷹>も好きなんだけどさ、政宗さんと一緒にいたいんだよ」




「華―――――」





政宗はそっと手を華の頭にのせてやる。




自分が与えた名を今も大事だと伝えてくれた彼女を一層いとおしく感じてしまった。






「今は、あんたがくれた名で呼んでくれよ……」



擦れた声でひすいは言う。


それに触発されるように、政宗は彼女の頭を包むように撫でた。




「――――…ひすい、よくここまで来てくれたな」




感謝の意味も含めて、政宗は彼女の身体を優しく抱きしめた。




彼女も寝巻姿であるので、昼間の上品な着物からではわからなかった女性らしい丸み帯びた線がよくわかり、また彼女の熱も肌を通して伝わってくる。






「うん……、めげずに頑張って良かった」




橋本の商人の家の者は本当によくしていくれた。



というのも、二人には前々から小十郎に事の経緯や今後について説明がなされていた。


側室に相応しい女にしてくれと頼むと、彼らは二つ返事で受け入れてくれた。



だが、今までたしなみというたしなみが皆無であったひすいにとってはあまりにも過酷なものであったのは言うまでもない。





すぐに足が痺れる、口調が女としてかけ離れている、股を開く癖がある、おしとやかな行動ができないなど、数え挙げればきりがない。




そんなひすいであったが、橋本の者は時には厳しく、時には優しく指導してくれた。