奥州の山賊






「あ、梵天丸です。華、様……」




濁すような言葉に華は目を逸らして微かに笑った。





「…………存じております」




「はい?」




わけもわからず梵天丸は聞き返すと、華は政宗のの方を向いた。


どうやら彼に同意を求めているらしい。



それに気付いた政宗は華をいとおしく見つめ、ふっと笑った。




二人はまるで意志疎通しているかのようで、梵天丸自身納得いかない。




すると、横に近づいた小十郎が耳元で何かを囁いた。





「華様は、かつてのひすいさんです」







時が止まった。








「…………母様?」





信じられないという感じで呟くと、華は太陽のように微笑んだ。




すぐにそれが肯定しているのだとわかる。




「母様……」




ずっと会いたかった。




しかし華はただ笑ってばかりいるだけで何も言わない。





「何か……何かお話し下され、母様」




そう言うとひすいは指を床につけて頭を屈めた。