奥州の山賊





「…………僕はあんなにも君を愛せる自信がないな」



「え?」





独り言なのか、ひすいには聞き取れなかった。



すると悠はゆっくりと振り返る。




「和平を組もう」



「……………なに?」



「君の<鷹>と僕の<獅子>の和平さ。君たちは僕らを守るし、僕らは君たちを守るんだ」




何を言っているのかさっぱりわからなかった。




こいつはつい先日までは<鷹>を乗っ取り、この奥州の森を我が物にしようと企てていたはずだ。


それなのに、今になって和平案とはどういった風の吹き回しなのか。




ひすいが疑いの目を向けていると悠は更に付け加えた。





「つまり、君はあの山賊にこだわる必要はない。君が愛す人のもとに行けばいい。僕が彼らを守るからね」




悠は笑っていた。




それは信じられないくらい綺麗に………。





「―――――だがそれは、俺に<鷹>を捨てろと言ってるのと同じじゃねぇか。そもそも、和平を組みたいって言ってるくらいなら、豆吉は解放してくれるんだろうな?」




「それはもちろんさ。すぐに解放するよ。もう意味はないからね」




それでもわからない。